追い焚き配管は雑菌が増えやすいところですが、掃除はなかなか面倒です。
お風呂は汚れやすい場所がたくさんあり、しっかり掃除するのにかなりの労力が必要です。
また追い焚き機能がついた風呂釜はどうやって掃除するの?か、お風呂掃除は手間がかかって面倒だから、ラクにする方法はないのかなどのお悩みも出てくると思います。
今回は以下の内容を中心にお掃除についてお伝えします。
【目次】
・追い焚き配管が汚れる原因
・風呂釜の追い焚き配管洗浄のタイミングと方法
・汚れが溜まると発生する可能性があるトラブル
・追い焚き配管の掃除はプロにお願いすることも可能!
・専門会社を選ぶ際のポイント
・まとめ
お風呂掃除が大変な理由と、掃除をラクにできる方法がわかればキレイなお風呂で 快適に過ごせます。ぜひ最後までお読みください。
■追い焚き配管が汚れる原因
お風呂の追い焚き配管は汚れが溜まりやすく、簡単に洗い流すことができない場所です。
雑菌の繁殖しやすい環境にあるため、定期的なお掃除が必要です。
追い焚き配管に雑菌が繁殖してしまうと、以下のようなことが起こります。
・お湯が白っぽく、におう
・浴槽がざらつく、ヌメリ
・茶色い汚れが浮く
お風呂の追い焚き配管は、目に見える場所にないためどのくらい汚れているかがはっきり分からないことがほとんどです。また、直接こすって掃除をするのも困難です。そのため、気付かぬうちに想像以上に汚れていることもあります。掃除が大変で面倒くさい追い焚き配管ですが、そもそもなぜ汚れてしまうのでしょうか。
追い焚き配管が汚れる原因は4つあります。
・皮脂
・入浴剤などの薬剤
・お風呂に潜む菌
・水アカ
例えば、追い焚き配管の一つ穴タイプ。
一つ穴タイプは構造上、汚れたお湯が配管のなかに残ってしまうところがあります。
お湯が残っているところで雑菌が繁殖し、「バイオフィルム」という細菌の巣ができてしまうのです。追い焚き配管が汚れる原因がなくなれば掃除も楽になりそうですが、 予防できるのでしょうか。それぞれ詳しく解説していきます。
・皮脂汚れ
風呂釜の配管を汚す大きな原因が、皮脂汚れです。
入浴によって皮膚・体毛に付着した皮脂汚れがお湯に溶け込み、
風呂釜の配管に入り込むことで汚れが蓄積されます。
また、風呂釜はお湯を循環させる装置なので、お湯とともに皮脂汚れも循環し、 配管内を汚すことになります。
・入浴剤などの薬剤による汚れ
お風呂タイムをより充実させる入浴剤も、風呂釜の配管汚れの原因となります。 その中でも、バスオイルやバスソルトを使用している場合、特に注意が必要です。
・バスオイル:油分を含むので、他の汚れと共に風呂釜の配管に堆積しやすい
・バスソルト:塩を含むので、風呂釜の配管が錆びる原因となりやすい
日常的に入浴剤を使用してお風呂に入っている場合は、風呂釜の配管が汚れやすいので、マメに洗浄することをおすすめします。
・お風呂に潜む菌
衛生微生物研究センターにおいて、入浴前、入浴直後、そのまま一晩放置した際の、風呂水の細菌数を入浴人数ごとに測定したところ、以下のような調査結果となりました。
すると、入浴人数が多いほど風呂水の細菌数は多くなり、一晩放置すると約1,000倍に増加していると考えられます・
追い焚きすると風呂釜の配管にも細菌が蓄積されるので、定期的な洗浄が必要になってきます。
・水アカ
水道水は石灰をはじめとしたミネラルを含んでおり、水分を蒸発させると空気中に存在する二酸化炭素などと反応し、炭酸カルシウムに変化します。これを一般的には「水アカ」と呼んでおり、非常に落ちにくい頑固な白い汚れとなって、風呂釜の配管内に蓄積されるのです。
水アカは、水道水を利用すれば入浴していなくても蓄積される汚れなので、
風呂釜の配管は定期的に洗浄を行わなければなりません。
■風呂釜の追い焚き配管洗浄のタイミングと方法
・風呂釜配管の洗浄のタイミング
1つ穴タイプであれば2~3ヶ月に1回、
2つ穴タイプであれば1ヶ月に1回行います。
ただし、以下のようなケースが発生した場合は、すぐに風呂釜配管の洗浄を行いましょう。
・浴槽に茶色い湯垢が浮いている
・お湯が白くにごってしまう
・黒色の汚れが浮いている
・お湯から臭いがする
・風呂釜にコバエがたかる
・入浴すると痒くなる
なお、家族構成が多い場合や入浴回数が多い時期は、風呂釜配管の洗浄頻度も都度増やしましょう。
・風呂釜の追い焚き配管の洗浄方法
1つ穴タイプの洗浄方法
浴槽にフィルターの付いた穴が1つ開いているものは、1つ穴タイプです。
用意するものは、以下の通りとなっています。
・1つ穴専用の風呂釜洗剤、酸素系漂白剤、重曹(250g)、過炭酸ナトリウム(300g)のいずれか
・ゴム手袋
・スポンジ
1つ穴タイプの洗浄方法は以下の通りです。
1. 給水口のおよそ5cm上まで水を張る
2. 洗浄剤等を規定量入れ、40~50℃で追い焚きし、2~3時間放置
3. 再び5分程度追い焚きする
4. 風呂釜の配管すすぎのため、水をためて5分程度追い焚き
5. 排水後、風呂釜のフィルターを洗浄したら完了
残り湯を使用しても構いませんが、入浴剤が入っている場合は、水をため直してください。
また、洗剤等を入れた後は浴槽にフタをしておくと、温度が保たれ、より洗浄を発揮することができます。
・2つ穴タイプの洗浄方法
浴槽に2つ穴が開いているのであれば、2つ穴タイプです。
用意するものは、以下の通りとなっています。
・2つ穴専用の風呂釜洗剤または酸素系漂白剤
・使わなくなったタオル
・やかんやジョウロなどのお湯を注げるもの
・ゴム手袋
2つ穴タイプの洗浄方法は以下の通りです。
1. 使わなくなったタオルで、下の穴を水が出ないようにしっかり塞ぐ
2. 上の穴から風呂釜洗剤または酸素系漂白剤を規定量投入
3. 上の穴から40〜50℃のお湯を溢れない程度に注ぎ入れ、2時間程度放置
4. タオルを外し、シャワーなどで勢いよく汚れを洗浄して完了
穴にフィルターがついている場合は、取り外して作業を行ってください。
また、配管の洗浄後はフィルターを洗ってから取り付けましょう。
■汚れが溜まると発生する可能性があるトラブル
追い焚き配管に溜まった汚れをそのまま放置すると、その汚れを栄養分にして雑菌が繁殖します。
代表的なのが、サルモネラ菌や大腸菌、レジオネラ菌などです。
それぞれ以下の特徴をがあります。
・サルモネラ菌
少量の菌でも食中毒を発症するといわれており、卵や食肉などに付着している
ケースが多い菌です。
・大腸菌
腸に炎症を起こします。
これらは、追い焚き配管の汚れによっても発生する菌です。
口から体内に入れば、発熱や腹痛などの辛い症状が現れます。
・レジオネラ菌
肺炎や気管支炎などの感染症を引き起こす菌です。
菌に汚染された水が身体に入ることによって感染します。
そのため、追い焚き配管は感染源になりやすく、厚生労働省からも注意喚起が出ているほどです。
特に小さな子どもや年配の方などは感染しやすいといわれているため、注意しなければなりません。 このように、体に害を及ぼす菌を発生させないためにも、追い焚き配管の掃除は重要になります。
■追い焚き配管の掃除はプロにお願いすることも可能!
プロの清掃会社にお願いした方が良いケースがあります。
追い焚きをした際や、浴槽にお湯を溜めた際などに、湯ドロ(白くフワフワした汚れ)や黒い粒が浮いている場合は、配管がかなり汚れている可能性があります。
そうなると、市販の洗剤だけでは汚れを取りきることが難しいほか、雑菌の繁殖なども考えられるため、 専門会社に依頼してきちんと除去するのがおすすめです。
また、ご自身で掃除してもキレイになっているかどうか不安な場合や、掃除したのに湯ドロや黒い粒などが浮いてくる場合なども、プロにお願いすると良いでしょう。
他にも、一度も追い焚き配管を掃除したことがないケースも、汚れが多く蓄積されている可能性があるため、プロによる掃除が向いています。
プロに追い焚き配管の掃除をお願いするのは費用もかかるため少々ためらわれるかもしれません。
しかし、プロならではの専用機械や強力な洗剤を用いて本格的に掃除できるため、よりしっかりと追い焚き配管内を掃除できます。
また、会社によっては掃除前後に専用の機器を使用して汚れや菌を測定し、どの程度きれいになったか、目に見える形で教えてくれる場合もあり、より明確な成果が知りたい方にもぴったりの方法です。
・専門会社に頼んだ場合の相場
追い焚き配管の掃除を専門会社に依頼した場合、およそ15,000~25,000円程度が相場です。 会社によって、追い焚き配管のみの掃除や水質チェック込みなど掃除内容に幅があり、その内容によって料金が前後することを覚えておきましょう。
基本の料金に加えて、オプションメニューを用意している会社もあるため、見積もりなどで詳細確認を行い、必要な費用を確認しましょう。
なお、作業時間は90分~150分程度で、風呂釜配管の洗浄をした日に入浴することができます。
■専門会社を選ぶ際のポイント
追い焚き配管の掃除をプロに依頼する際、まずは自宅の配管に対応しているサービスを選ぶのがポイントです。
また、使用する洗剤にも注目してみましょう。
特に小さな子どもがいる場合には、アレルギー等が気になることもあります。
こういった場合は、できるだけ刺激の少ない洗剤を使用している会社を選ぶのがおすすめです。
会社によっては、地球環境に配慮したエコ洗剤を使用しているサービスもあります。サービスの特徴などを考慮して、ご自身にぴったりな会社を選びましょう。 風呂釜配管の洗浄を業者に依頼する場合には、自宅の風呂釜に対応しているか確認する必要があります。
また、依頼する会社が損害賠償保険に加入済みかどうかもチェックポイントです。 損害賠償保険に加入している会社であれば、万が一破損があった場合でも、しっかり対応してもらえるでしょう。
■まとめ
追い焚き配管内は目で直接汚れが確認しづらいため、気付かぬうちに汚れが溜まりやすい場所です。
しかし、汚れを放置すると体に害を及ぼす感染症を引き起こすケースもあります。 ご自身で定期的に追い焚き配管の掃除を行い、清潔なお風呂に入れるよう配慮しましょう。
ご自身で掃除するのが難しい、汚れがひどい場合は、プロに依頼する方法もあります。ご自身にマッチした方法で、適切に追い焚き配管の掃除を行いましょう。